制作工程
制作工程紹介
一つ一つ丁寧に、心を込めて仕上げる木目込み人形。
ここでは、木目込み人形の仕上がるまでの工程をご紹介します。
木目込み人形は、ボディといって人形の「型」があります。私のような人形作家は、一点物を一から作成する時は、バルサの木を芯にして作っていきますが、複数の同じものを作る時は「型」の土台をつくり、生地抜き職人さんにお願いします。
お雛様や童子のような、頭(かしら)がつくものは、胡粉をぬったり、面相を描いたり、髪を結ったりと、そこでも職人さんにお願いします。
木目込み人形のボディが仕上がるまでには、たくさんの職人さんの手が入ります。
私は、伝統工芸士(塚田永春氏)にご指導いただき、9年以上が経ちました。月に二回東京まで通っているのですが、伝統工芸士にご指導いただけるからこその、工程・技術もあります。美也比ならではの木目込み人形もあり、これからもオリジナルの木目込み人形を増やしていけたらと思っています。
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STEP.1
かま詰め
「型」の前の土台。この土台を元にかまを作ります。黒い線のところで切り、前と後ろ二つのかまの中に桐の粉としょうふ糊を混ぜて作った桐塑(とうそ)をつめて、もう一度合わせて一つにし、胴体を作ります。
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STEP.2
ぬき
かまをおさえ、ある程度固まったらかまから抜きます。かまから胴体をとり出す前に、はみ出した部分を木べらで取り除きます。
その後、よく乾燥させます。乾燥後、胴体に生じる凹凸やひび割れを桐塑(とうそ)で補修していきます。 -
STEP.3
筋彫り
木目込みは、溝の中に布生地を入れ込んでいきます。そのための筋彫り(溝)をします。この筋彫り(溝)が均等か、あるべきところにあるかで、木目込みの仕上がりに影響します。
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STEP.4
ボディ修正①
生地を決め込む前に、一度きれいに紙やすりでみがきをかけます。凹凸などをなくします。その後、桐塑(とうそ)を使って、線の歪みや、凹み、ひび割れなどを補修します。
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STEP.5
ボディ修正②
桐塑(とうそ)を使って補修したら、また紙やすりでみがきます。今度は、凹凸などがなくなるまで、きれいに仕上げます。
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STEP.6
下地入れ
筋彫り(溝)を入れる前に、胡粉をぬるやり方もありますが、美也比では、生地を入れ込む前に、サラシを入れ込みます。サラシを入れ込むことによって、生地の配色が良くなったり、肌着を着せる感じでふっくらします。
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STEP.7
木目込み
溝の中にボンドをいれ、生地を入れていきます。平面のところには、一切ボンドはつけません。シワになったり、生地が歪まないように慎重に木目込みます。